B型肝炎の給付金訴訟を行うために必要な書類は?

B型肝炎訴訟を行い、国から給付金をもらうには、まずは訴訟などを起こすための必要書類を集めることから始めます。これが一番大変な作業なのですが、実はこの必要書類を集めることで、B型肝炎給付金訴訟の8割は終了しますので、詳しく確認していきましょう。

B型肝炎給付金の必要書類に関して知っておくべき事

B型肝炎の給付金に必要な書類を集める前に基本的な事を確認しておきましょう。

なぜ書類が必要になるのか?

B型肝炎ウイルス問題において国側は過ちを認め、感染者のみなさまに対し、給付金やケアなどの各種救済措置を図っていますが、誰でも請求してしまうと莫大な金額になりますし、B型肝炎ウイルスに感染した事実を証明しなければ、給付金を不正に得ようとする方に対処する事が出来ませんので、必要な手続きだという事です。

必要書類を集めるのは面倒だがこれで8割の手続きは終了する

素人がB型肝炎ウイルスにおける訴訟の書類を揃えるのは正直大変です。慣れない証拠書類の収集や、裁判になった場合の交渉、事務作業、訴訟手続きなど、一般の方では理解しにくい内容が多いのも事実です。もし手続きなどが面倒だと感じたら、弁護士に相談されるのが良いでしょう。

 

一次感染している場合に必要になる書類

まずは、一次感染者が給付金を受けるために必要な書類を確認していきましょう。

1:B型肝炎ウイルスに持続感染していることを証明する書類

まずは自分が「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」を証明する必要があります。B型肝炎の給付金は、持続感染(一次感染)している人のみを給付の対象としているため、一過性の感染があっただけではB型肝炎給付金の支給対象にはなりませんので、注意が必要です。

一次感染(持続感染)していることの証明には、以下の(1)また(2)のいずれかの書類が必要になります。

(1)6か月以上間隔をあけ、連続した2つの時点でのいずれかの検査結果

  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

(2)HBc抗体陽性(高力価)

この他にも、医学的知見を前提とした個別の判断によって、B型肝炎ウイルスの持続感染が認められる場合もあります。また、B型肝炎に感染しているかどうかを検査する場合、市町村で検診を受けたり、各都道府県の保健所で肝炎ウイルス検査を受けることができますが、最近では自分で検査をすることもできます。

2:満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること

満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていることを証明するには、母子手帳または予防接種台帳のいずれかのものが必要になります。

  • 母子健康手帳
  • 予防接種台帳(市町村が保存している場合)

各市区町村の予防接種大腸の保存状況については、厚生労働省ホームページで公表されています。

もし母子健康手帳も予防接種台帳もない場合

母子健康手帳や予防接種台帳が提出できない場合は、以下の書類が必要です。

  • 接種痕意見書(医療機関において作成)
  • 母子健康手帳または予防接種台帳を提出できない事情を説明した陳述書
  • 接種痕が確認できる旨の医師の意見書(医療機関において作成する)
  • 住民票または戸籍の附票(市区町村において発行してもらう)

意見書とは、所定の様式にしたがって医療期間の医師が作成するものです。
意見書のサンプル

3:集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと

B型肝炎訴訟では、昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に注射器の連続使用があったと考えるとして国が非を認めていますので、この期間に集団予防接種等を受けていれば、特段の事情がない限りは注射器の連続使用があったものと認められます。

その時期に集団予防摂取が受けていたかどうかは、母子健康手帳や予防接種台帳の記載から確認できますが、もし母子健康手帳や予防接種台帳がない場合には、昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までの間に出生していることを確認するための資料が必要です。

4:母子感染ではないこと

母子感染でないことを証明するための書類は、いずれかの資料が必要です。

(1)母親のHBs抗原が陰性かつHBc抗体が陰性(または低力価陽性)である検査結果

もし母親が死亡している場合、母親が80歳未満の時点におけるHBs抗原陰性の検査結果のみで大丈夫です。逆に80歳以上の場合は、HBc抗体も併せて確認することが必要になります。

(2)年長の兄弟(姉妹)のうち一人でも持続感染者でない者がいること

これは母親が死亡している場合に限った話になります。

(3)その他

もし(1)も(2)も用意できなかった場合、医学的知見を踏まえた個別判断により、母子感染によるものではないことが認められる場合には、母子感染でないことを推認する必要があります。

5:その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

その他集団予防接種等以外の感染原因がないことを証明するには以下の3つの書類を用意しましょう。

(1)カルテ等の医療記録

集団予防接種とは異なる原因が存在する可能性が無いことを確認するために、カルテなどの医療記録については、以下の医療記録のうち現存するものが必要です。

  •  直近の1年分の医療記録
  •  持続感染の判明から1年分の医療記録
  •  最初の発症から1年分の医療記録(発症者のみ)
  • 入院歴がある場合には、入院中のすべての医療記録または退院時要約
    退院時要約(サマリー)でも可能

(2)父親からの感染ではないことを証明する書類

父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査結果(HBV分子系統解析検査結果)

(3)本人のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではない事を証明する検査結果

ただし、ジェノタイプ検査は成人期の感染でないことを証明するものですので、平成7年以前に持続感染が判明(初診)した場合には不要になります。

6:病気の診断書または死亡診断書

現在の病状に関する診断書を用意しましょう。ただし、無症候性キャリアの方は,診断書は不要です。もし、相続人の方がB型肝炎給付金を請求される場合は、亡くなった原因がB型肝炎ウイルスの持続感染にあることを示す診断書が必要になります。

 

二次感染している場合に必要になる書類

次に、二次感染者がB型肝炎給付金を請求するために必要な書類を紹介していきます。

1:患者の母親が一次感染者の要件を満たすこと

患者の母親が一次感染者の要件を満たすことを証明するには、患者の母親が、一次感染者として認定される要件を全て満たしていることを証明する資料が必要になります。

つまり、「一次感染している場合に必要になる書類」の1〜4の書類を用意しましょう。

2:患者本人が持続感染していること

患者本人が持続感染していることを証明するには、母親がB型肝炎に感染しているだけではなく、本人もB型肝炎に感染している必要があります。そのため、患者本人についても一次感染者と同じように、B型肝炎ウイルスに持続感染していることを示す資料が必要になります。

(1)6か月以上の間隔をあけた2時点での、以下のいずれかの検査結果

  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

(2)その他

  • HBc抗体陽性(高力価)

その他、医学的知見を前提とした個別の判断によって、B型肝炎ウイルスの持続感染が認められる場合もあります。

3:母子感染であること

母子感染を証明する資料については、以下の(1)または(2)の資料が必要となります。

  1. 請求者が出生直後に既にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す資料
  2. 請求者と母親のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査(HBV分子系統解析検査)結果
    ※上記ⅰ又はⅱの方法以外に、母子感染とは異なる原因の存在が確認されないことを立証する方法も認められています。そのためには、以下の条件をすべて満たすことが必要です。

いずれの資料も用意できない場合

  • 請求者の出生前、母親のHBe抗原の陰性が確認されないこと
  • 請求者が昭和60年12月31日以前に出生している
  • 医療記録等に母子感染とは異なる原因の存在をうかがわせる具体的な記載がない
  • 原告のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではない
  • 父親について以下にあてはまるもの
  • 父親が持続感染者でないこと
    父親が持続感染者の場合であっても、請求者と父親のB型肝炎ウイルスの塩基配列が異なること

4:ご自身の病気の診断書または死亡診断書

無症候性キャリアの方は,診断書は不要ですが、相続人の方が請求される場合は、亡くなった原因がB型肝炎ウイルスの持続感染に起因する診断書が必要になります。

 

B型肝炎訴訟において診断書はかなり重要なものになる

B型肝炎訴訟では、病態によって受けられる給付金の金額が大きく違ってきます。病態が重ければ重いほど当然給付金の金額は高くなりますし、病態が軽ければ給付金は低くなります。

病態等 金額
死亡・肝がん・肝硬変(重度) 3,600万円
肝硬変(軽度) 2,500万円
慢性B型肝炎 1,250万円
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、
現在も慢性肝炎の状態にある方等
300万円
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、
現在は治癒している方
150万円
無症候性キャリア 600万円
20年の除斥期間が経過した無症候性キャリア
(特定無症候性持続感染者)
50万円

B型肝炎訴訟では、訴訟手続きで病態について、医師の判断を仰ぐ必要がありますが、基本的にはカルテや各種の検査結果などの医療記録にもとづいて行われます。また、B型肝炎訴訟の病態判断のための診断書は、専門医療機関で作成してもらう必要があります。

それ以外の機関で診断書を作成してもらっても、B型肝炎訴訟には使えないので注意が必要です。さらに、この診断書を基に病態が決まりますので、医師と相談して確実な診断書を作りましょう。

 

まとめ

B型肝炎の給付金を得るには、様々な検査が必要になりますし、書類や記録を調査して取り寄せるのは正直一苦労です。また、B型肝炎給付金は単純に自治体の窓口に請求したら受け取れるというものでもありません。

B型肝炎の給付金請求をする場合は裁判所で訴訟手続きをする必要もありますので、できれば必要書類を集め出す前に弁護士に相談することをおすすめします。

国は給付金の他に弁護士費用も一部補助するという方針を出していますので、一度無料相談などを利用しながら、弁護士を利用するメリットなどを確認しておく事をおすすめします。

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