カラオケハラスメントとは|強要の違法性と上手く断る3つの対処方法

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、職場などでカラオケが苦手な社員に対して歌うことを無理強いしたり、強制的に歌わせたりするハラスメントです。社内の飲み会や取引先との接待でのカラハラはその程度によってはパワハラと認定されることもあります。

今回は、カラハラの概要や対処方法、上司が気をつけるべきことについてご紹介します。

 

カラオケハラスメント(カラハラ)の概要と違法性

カラオケハラスメント(カラハラ)とは、カラオケが苦手な社員に対して、歌うことを無理強いするハラスメントです。カラハラは、上司や取引先など優位性のある立場を背景に行われた場合はパワハラと判断されることもあります。

この項目では、カラハラの概要や例、ハラスメントとしての違法性についてご紹介します。

カラオケで歌わせることを強要する「昭和の考え方ハラスメント」

取り式先との接待や社内の飲み会などでカラオケに行くことはよくあることです。しかし、カラオケを嫌がっている社員に対し、歌うことを無理強いすることはカラオケハラスメント(カラハラ)にあたるといわれています。

場の雰囲気を壊さないために無理やりでも歌う、接待のためにカラオケを練習する等は、今の時代にはそぐわないためハラスメント(嫌がらせ)と捉える考え方のようです。

カラオケハラスメントは程度によってはパワハラと認定される可能性がある

カラハラは、昨今一部で言われているものであって、必ずしも法的に違法であるとかハラスメントとなるという議論がされているものではありません。

しかし、カラオケを強要することは、行為の状況や態様によっては違法なハラスメント行為と評価される可能性はゼロではありません。

上司が気をつけるべきカラオケハラスメントの例

ハラスメントの加害者にならないために上司が気をつけるべき言動は以下の通りです。

  • 本人が嫌がっているのにマイクを持たせて歌うことを強要する
  • 本人の希望を聞かずに勝手に曲を入れたり歌わせたりする
  • 「歌わないとクビにするぞ」と冗談でも脅す

なお、カラハラの加害者にならないために上司が気をつけるべきことについては「上司が部下をカラオケに連れていく時に知っておくべき心得」で後述しています。あわせてご覧ください。

 

カラオケハラスメントを上手く断るための3つの対処法

カラハラは大勢の前で行われるため、断りづらいですよね。場の雰囲気を壊さず、上司の機嫌を損ねないように断るには、「拒否の意思表示」と「関わらないこと」が何よりも重要です。

この項目では、カラオケハラスメントから逃れるための3つの方法をご紹介します。

あらかじめ「カラオケ嫌い」「歌いたくない」の意思表示をする

カラハラに巻き込まれる前にカラオケを断るための方法として、事前の意思表示があります。嫌いだと公言している人をカラオケに誘う人はあまりいないため、接待を除く社内での付き合いに有効です。

  • カラオケが嫌いであることを普段から周囲に伝える
  • 「聞くのは好きだけど歌うのは嫌だ」と具体的な提案をしておく
  • 歌わない姿勢を断固として貫き通す

カラオケの席は理由をつけて断る

カラオケは飲み会の二次会などで利用されますよね。カラオケに移行しそうなタイミングになったら、何かと理由をつけて帰ってしまいましょう。断ったり帰ったりする際には、以下のような理由だと相手も無理強いしにくくなります。

  • 配偶者、子供の病気
  • 家庭(実家)の事情
  • 配偶者の両親に呼ばれている など

1曲だけ勇気を出して歌ってその他を断り続ける

少々勇気のいる対処方法になりますが、1曲だけ勇気を出して歌うというのもひとつです。「カラオケはどうしても無理」と断っておいて1曲だけ歌うと、相手も譲歩してもらえた満足感から次の曲を無理強いしてこなくなります。

また、2曲目をリクエストされた際にも「1曲は歌ったので」と断りやすくなります

カラオケハラスメントをきっかけとして働きづらくなった場合の対処法

ハラスメントを上司・社内相談窓口に報告する

執拗はカラハラや、カラハラをきっかけとしたハラスメントにあった場合は、上司や社内相談窓口に報告・相談しましょう。早めの問題解決のためにも報告も兼ねて相談することからはじめてください。

なお、カラハラは会社の風土などから相談に取り合ってもらえないことも考えられます。そのため、会社側に報告・相談をした際は必ず相談日や内容、担当者名を記録に残しましょう

社外の相談窓口に相談する

社内でカラハラの相談に取り合ってもらえなかった場合は、相談記録を持って社外の相談窓口に行きましょう。社外の相談窓口とは以下のような場所です。

これらの相談窓口では、トラブルの対処方法などについてアドバイスを得ることができます。

ハラスメントが悪化した場合は労働基準監督署に相談する

カラハラをきっかけとしたハラスメントが悪化した場合は、労働基準監督署に相談をすることも考えましょう。労働基準監督署に相談する場合は、会社が所在する都道府県の最寄りにある労働局が管轄になります。参考:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

上司が部下をカラオケに連れていく時に知っておくべき心得

カラハラ加害者にとっては、「良かれと思って」「その場の雰囲気で」という理由から、悪気なくハラスメントを行うことが多いと思います。しかし、カラオケが苦手な社員に歌うことを強要するカラハラは、かえって場の雰囲気を壊してしまいます。

ハラスメントの加害者にならないためにも、取引先での接待や社内の飲み会で部下をカラオケに連れて行く際には以下ことを心得ておくことをおすすめします。

まとめ

カラオケが苦手な人にとって歌うことを強要するカラハラは耐え難い苦痛だと思います。カラハラのようにどうしても嫌で仕方ないものには、仮病や嘘を使っても逃げるという選択肢もあるので、思いつめない程度に乗り切って行きましょう。

この記事で、カラハラに悩んでいる人の手助けができれば幸いです。