レピュテーションリスクとは | 企業がリスクを回避して信用と業績を守る3つの手段

レピュテーションリスク(reputation risk)とは、企業に対する否定的な評価に起因する経営悪化に繋がる評判リスク(風評リスク)の事を言い、信用・ブランド価値の大幅な下落を招き、迅速な対応を行わなければ企業存亡の危機に追い込まれる危険度を表すものです。

レピュテーションリスクが注目され始めた背景には、企業を評価する価値観が多様化してきた事が一つ上げられる。これまでは財務的な価値、いわばお金を持っている企業は価値が高いとされてきましたが、社会への認知度などが事業の売上や資金調達に影響を与える様になってきました。

レピュテーションリスクには不可抗力のよるものと人為的なものの2種類が存在し、どちらも「危険性のリスク」と呼ばれます。この「危険性のリスク」とは、不慮の事態によって業務に物理的な継続に支障が出る、あるいは著しい信用力低下により通常業務の継続が困難になる、などの事態を招く状況のことを言います。

こうした変化は経営上無視出来なくなってきており、「無形の資産」としての役割と、CSR経営により重きをおかざるを得ない状況になっています。今回は、そんなレピュテーションリスクの事例と、企業が風評リスクを回避する方法をごしょうかいします。

 

レピュテーションリスクの事例

最近では「ブラック企業」と汚名を付けられた場合の採用リスクは計り知れません。ひとたび悪評が付けばSNSを通じて瞬く間に広がってしまいます。

事例1:アルバイト店員が厨房でゴキブリを焼いて客に出した

実際にあった事例ですが、アルバイトがレストランの厨房でゴキブリを焼いて、細切れにした後客のスープの中に混入させたという事件がありました。

その様子をツイッターなどで配信したことでオーナーにばれ、即日アルバイト定員はクビになったものの、それ以降そのレストランの客足は3ヶ月以上遠のく事になり、最終的に潰れる事になりました。

事例2:予約したレストランが当日開店していない|問い合わせたら暴言を吐かれる

海外の事例ですが、ある夫婦が結婚記念日にお店を予約。当日になって店に行くとなぜか休業中の看板が立てかけてあった。予約が出来たのにどうして休業なのかと思い、レストランが運営しているFacebookにメッセージを送ったところ「消えろ」という辛辣なコメントが返ってきたそうです。

Facebook上のやりだったため、すぐに周囲に露見、しかしオーナーや担当者からのお詫びもなく、3ヶ月の臨時休業を行っていた様です。

こうした悪評はツイッターやブログといったインターネット上の書き込みを通じて広がり、それを追いかけるようにマスコミが取り上げ、一気に増幅していくのがお決まりのパターンです。

最近の例で言えば、オリンピックのロゴパクリ問題などが記憶に新しいのではないでしょうか。個人のインターネットを使う技術の向上が、次々にパクリだと思われる案件や人を巻き込んで泥沼の状態を作り出して行きました。

しかし、企業のレピュテーションが下がるのは、何もユーザーに対する態度だけではありません。企業の不祥事もレピュテーションを下げる大きな要因です。

事例3:ソーシャルゲームにおける景品表示法違反

ソーシャルゲーム業界の不祥事が止まらない。今年に入り、サイバーエージェントの子会社で、DeNAも資本参加しているサイゲームス社(Cygames)が提供しているゲーム「グランブルーファンタジー」にて、景品表示法で禁止されている「優良誤認」と「カード合わせ」が疑われる事案が発生。

今や日本を代表する企業になったサイバーエージェントの2015年10~12月期の決算をみると、「ゲーム依存」の構造が浮かび上がる。売上高、営業利益とも過去最高を記録しているが、連結営業利益129億円のうち、ゲーム事業の営業利益は約7割にあたる88億円を占める。ゲーム事業の営業利益率は29・6%を誇り、ゲーム事業で「荒稼ぎ」していることがわかる。
参考:なぜソーシャルゲーム業界はこんなにだらしないのか?

 

事例4:NHK会長の不祥事

NHKの籾井勝人会長(72)が3日、東京・渋谷の同局で定例会見に出席。28日放送の同局「とっておきサンデー」(日曜前11・00)で子会社元社員による2億円着服問題や記者のタクシー券私的使用など、相次ぐ不祥事について視聴者に謝罪した件で改めて言及した。

籾井会長は「視聴者には心からおわびします」と改めて謝罪。「管理体制に多くの課題があった。ちょっと言いづらいことではあるが、NHKからも非常勤の監査役、取締役を出しているが、監督、教育ができていないということも明らかになった」とNHK側の不備を認めつつ、「本体に法的責任はないと判断したが、受信料で運営されるNHKとして社会的責任は重いと認識している。
参考:NHK会長一連不祥事を改めて謝罪「心からおわび」再発防止へ不退転

こういう事になる前に、企業側はすばやく適切な対応をとらなければ事業の存続も危ぶまれる自体になりかねないということです。

 

レピュテーションリスクを回避する為に知っておくべき事

基本的には、レピュテーションは出来るだけ高く保つ事が有効だと言われていおり、逆に低いと企業に取っては問題であると考えられています。つまり、常にレピュテーションを高く保つ事が重要だと考えられますが、実はレピュテーションが高すぎるのも問題なんです。

1:高すぎるレピュテーションはリスクにもなる

経営学者、ロバート・エクレスによると、

評判が高ければ、このギャップは大きなリスクと言える。つまりレピュテーションは企業の身の丈にあった状態にしておくのが望ましい。

と言っています。例えばレピュテーションの高いA社は、顧客満足度の高い企業として取り上げられていた場合、それは顧客サービスがA社を支える大きな源泉になっている訳です。

しかし、ある日A社の担当者が顧客に対して非常に乱暴な言葉遣いをしてしまった場合、不満を持った顧客が会話内容をデータにしてWeb上に公開したとします。

その内容はインターネットを介して広まり、ネガティブなカキコミ、テレビや新聞などのメディアで放送され、A社は消費者への信頼を裏切る形になりました。もしA社の実態が「顧客満足の悪さ」であるなら、このような状態でもさほど影響が出なかったはずです。

つまり、レピュテーションに係るリスクは高いか低いかでは無く、企業の身の丈に合っているか否か、という視点をもつのが良いでしょう。この企業に係る期待を調整する、「期待値の調整」が重要になります。

2:レピュテーションリスクの測定の仕方

期待値の調整、現実とのギャップを埋めて安定されることが重要なのですが、先ほどご紹介したロバート・エクレスも「評判と実態のギャップを埋めるには、ステークホルダーの期待に応える能力を高めるか、公約を減らす事によって期待を低めにしなければならない」と言っています。

企業が最もカンタンにレピュテーションを調整できるのは広報活動を強化することです、露出が増えればレピュテーションは通常比例して行きますし、露出が減れば低下して行きます。
引用元:概念整理とマネジメントの方向性

もちろん単純に露出量の問題ではなく、広報内容が濃いものであるという前提はありますが、まずは実態とのギャップを指標として分析する必要はあります。

1:ステークホルダーへの質問調査

顧客、投資家、株主、ステークホルダーへのアンケートによって実態を把握する方法。街角アンケートなどを相続して頂くと分かりやすいと思います。忌憚の無い意見が集まり、現状の問題点まで洗い出せる可能性のある指標分析と言えます。

2:テレビ・新聞上の報道調査

代表的なレピュテーション調査として「正解で最も評判の高い企業」というものや、「ブラック企業対象」「働きたい企業」「◯◯代が選ぶ就職ランキング」などがあります。

どこまでがおとなの事情が絡んだ調査内容なのかは定かではありませんが、広報活動の指標化は判断が難しいため、継続的な改善を行う上では有効な手段です。

広報活動の効果測定を行っていない企業は全体の39.7%もいると、財団法人経済広報センターの調査した結果がでていますので、レピュテーションマネジメントに取り組むのであれば、積極的な測定・調査を行う事をおすすめする。

3:情報の透明性と正直経営が風評リスク回避に繋がる

組織内の不祥事等の情報が、内部告発によって表に出ることで、企業の存続を危うくするケースが加速度的に増えています。つまり、レピュテーションリスクの大きな根源は、内部告発リスクであると言ってもよいでしょう。

最も有名な実例はアメリカの巨大エネルギー企業エンロンの事件。長年にわたる会計処理や役員の利益相反行為を、一従業員が告発文書を公表したことで信用が急激に失墜、事実発覚から1年弱で企業破綻に追い込まれました。

同時に、粉飾を見逃し隠蔽工作をはかった大手監査法人アーサーアンダーセンも解散の憂き目に会っています。国内の事例ですと、2011年のオリンパス社不当会計処理事件。これも内部告発による雑誌記事をきっかけにしたウッドフォード社長取締役解任が大きく報じられ、財務内容悪化とガバナンス不能で市場の信頼は一気に失墜しています。

大手監査法人アーサーアンダーセンは隠蔽を計った事で避難されてしまいましたが、この「加担する」という概念はCSRでも非常に重要で、自分たちは悪くなくても、悪いことをしている人を支援していれば非難されると言う事を覚えておきましょう。

 

まとめ

いずれにしても、レピュテーションリス管理を考えた際、情報開示を怠ることなく組織内外に「正直」であることが何よりも大切であるという結論の至るのではないでしょうか。

もしリスクマネジメントを行う場合は、下記の書籍が参考になると思いますので、一度目を通しておくと良いかと思います。

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