ワンクリック詐欺へ対処するためには、まずはワンクリック詐欺の見分け方を知る必要があります。見分け方を知らないと、いざワンクリック詐欺に遭遇しても、詐欺だと気付かずに詐欺に引っかかってしまうかもしれないからです。
そこで今回の記事では、ワンクリック詐欺の見分け方を知ってもらうために、ワンクリック詐欺の特徴や、ワンクリック詐欺に遭遇した場合の対処方法について紹介していきます。
ワンクリック詐欺の見分け方|詐欺の特徴
ワンクリック詐欺の見分けるためには、ワンクリック詐欺の特徴について抑える必要があります。
見覚えのない料金請求をされる
ワンクリック詐欺の一番の特徴は、いきなり身に覚えのない料金請求をされることです。ワンクリック詐欺がよく行われるのはアダルトサイトですが、アダルトコンテンツを視聴するための再生ボタンが設置されていて、ボタンをクリックすると金銭請求の画面が表示されます。
「会員登録ありがとうございます。登録料として○○円をお支払いください。また、解約する際には○○円を以下の口座まで振込ください」
上記の様な文言が請求画面には記載されていますが、登録を解除するために業者が指定した口座へユーザーがお金を振り込むことが業者側の狙いです。
料金提示をされていない
法律上、有料なサービスを提供する場合、提供主はサービスが有料であることを示さなければなりません。ワンクリック詐欺では、事前にサービスが有料であることを示さないまま、金銭請求されることが多いです。
アプリのDLを促される
アダルトサイトで行われるワンクリック詐欺では、アダルトコンテンツを視聴するために専用アプリのDLを促されます。アプリを起動すると、料金請求の画面が表示される仕組みです。
URLが記載されたメールを送られてくる
ワンクリック詐欺の中には、ランダムに作成されたメールアドレスに、請求画面のウィンドウが表示されるURLが記載されたメールを送る類のものもあります。
フィッシング詐欺の見分け方|偽サイトと本物のサイトの違い
SNSや銀行などのログイン情報を盗むために、サービスを提供している業者のフリをしてユーザーへメールを送る類の詐欺(フィッシング詐欺)があります。例えば、Twitterのログイン情報を盗むために、詐欺業者はTwitterの運営機関のフリをしてメールを送ってきます。
メールにはURLが添付されていますが、URLをクリックすると本物のサイトによく似たログイン画面が表示されます。ユーザーにログイン情報を入力させることが業者側の狙いです。
ワンクリック詐欺の話からは少し脱線しますが、フィッシング詐欺もネット犯罪の一つです。安全にインターネットを利用するためには、フィッシング詐欺の見分け方を知っておくべきでしょう。
SSL証明書を確認する
フィッシング詐欺を見分けるためには、フィッシング詐欺で用意された偽サイトと、本物のサイトの違いを知る必要があります。
一般的に、ログイン情報が必要になるサイトには、SSL証明書がありますが、フィッシング詐欺のサイトにはSSL証明書がありません。SSL証明書を確認するためには、サイトのURLの左端の鍵マークを確認してください。
鍵マークがなければフィッシング詐欺を疑いましょう。
本体のサイトからログインする
また、フィッシング詐欺の見分けがつかない場合は、正規のURLを入力する、本体のサイトのワードをネットで検索するなど、直接、本体のサイトへアクセスするのも一つの手です。
本体のサイトへログインした後でも、フィッシング詐欺と思われるサイトのログイン画面がログイン状態になっていなければ、フィッシング詐欺だと思ってください。
ワンクリック詐欺かもしれないときの相談先
ワンクリック詐欺に遭遇したかもしれないが、自分では見分け方がわからない場合はどうすればいいのでしょうか。
消費者生活センターへ相談する
まず、消費者生活センターへ問い合わせしてみましょう。ワンクリック詐欺の見分け方について教えてもらえるからです。また、ワンクリック詐欺への対処方法について相談することができます。
参照:「消費者生活センター」
警察へ相談する
しかし、詐欺に遭遇した方の中には、間違って業者へお金を振り込んでしまう方もいるでしょう。この場合は、警察へ被害届を提出することで、対処してもらいましょう。警察に依頼した場合、詐欺業者の口座を凍結することが可能です。
詳しくは、お近くのサイバー犯罪相談窓口へ相談してください。
弁護士へ相談する
警察へ依頼してもお金が戻ってくるとは限りません。業者側も警察に口座が凍結させられないように、なるべく早く口座からお金を引き出そうとするからです。
もし、お金を引き出されていた場合、お金を取り戻すためには、業者の身元を特定した上で、業者へ返金交渉をすることになります。
しかし、身元の特定、返金の交渉は高い専門性が必要になるため、引き出されたお金を取り戻す際は、弁護士などの専門家へ依頼しましょう。
ワンクリック詐欺への対処方法
続いて実際にワンクリック詐欺に遭遇した場合の対処方法について確認していきましょう。
請求画面を閉じて放置する
まず、料金請求の画面のウィンドウは閉じてください。ウィンドウが閉じない場合は、ブラウザごと閉じるか、パソコンを再起動させるといいでしょう。
請求が法的に不当な理由
しかし、業者からの請求は法的に無視しても大丈夫なのか、疑問に感じるところです。まず、契約は申込と承諾により成立しますが、ワンクリック先では、いきなり金銭請求の画面が表示されるため、多くの場合は申込から承諾の流れを無視しています。
また、申込と承諾の流れを踏んでいる場合でも、錯誤による無効主張が可能なケースが大半です。加えて電子取引に関しては、電子消費者契約法第3条から錯誤要件が緩和されます。
つまりは、ユーザーへ事前に、サービスの内容や対価の説明なしに、クリックしただけで契約は成立しないということです。
しつこく電話が来る場合
ワンクリック詐欺に遭遇した方の中には、解約するために業者へ電話をしてしまった方もいると思います。その場合、業者からしつこく電話がかかってくると思いますが、この場合は業者からの電話番号を着信拒否に設定しましょう。
閲覧履歴を削除する
請求画面を閉じたら、今度はご利用のデバイスから閲覧履歴を削除しましょう。デバイスによって閲覧履歴の削除方法は異なります。
セキュリティソフトをインストールする
ワンクリック詐欺に遭遇した方の中には、ご利用のデバイスがウィルスに感染している方もいるかもしれません。そのため、ワンクリック詐欺に遭遇したら、ウイルススキャンをした上で、セキュリティソフトをインストールしましょう。
将来的にワンクリック詐欺に遭わないための予防策
最後に、ワンクリック詐欺に再度、遭遇しないための予防策について紹介していきます。
身元不明なサイトは閲覧しない
まず、ワンクリック詐欺が行われる可能性のあるサイトにアクセスしないことは、再び詐欺に遭わないために必要です。
主にアダルトサイトや出会い系サイトでワンクリック詐欺がよく行われますが、近年ではゲーム攻略、芸能人のゴシップネタなどのサイトでも、ワンクリック詐欺が行われていると言われています。そのため、出所不明のサイトへはアクセスしないようにしましょう。
ポップアップブロックを設定する
ワンクリック詐欺では、ポップアップウィンドウが使用される例がよくあります。ポップアップとは、アクセスしていないのにウィンドウが勝手に開く機能であり、請求画面を表示させるために使用されます。
そこで料金請求のポップアップウィンドウが開かないために、ポップアップブロックを設定してください。各デバイスごとのポップアップブロックの設定方法は以下の通りになります。
- パソコン:ブラウザ上の「設定」
- iPhone:「設定」→「safari」→「ポップアップブロックをON」
- android:「設定」→「高度な設定」→「ポップアップをブロック」
セーフサーチをオンに設定する
有害なサイトの見分け方がつけられない場合は、セーフサーチを設定することで有害なサイトへアクセスできないようにしましょう。
PCの場合
設定方法は、デバイスによって異なりますが、パソコンを利用の場合は、「検索の設定」の画面から「不適切な検索結果を除外」を選択することでセーフサーチをオンにすることができます。
スマートフォンの場合
続いてandorid携帯の方がセーフサーチをオンに設定するためには、以下の手順に従ってください。
- Googleの設定画面
- アカウントとプライバシー
- セーフサーチフィルタをオン
iPhoneユーザーの方は、以下の手順によってセーフサーチをオンに設定できます。
- Googleの設定画面
- 検索設定
- 不適切な検索結果を除外
まとめ
以上がワンクリック詐欺の見分け方と、ワンクリック詐欺に遭遇した場合の対処方法になります。当記事が、ワンクリック詐欺に遭遇した方へ少しでもお役に立てたら幸いです。