離婚の段取り|進め方と考えるべき要点

離婚には多くの時間や労力がかかります。できる限り有利な条件を引き出し、新しい生活を希望のあるものにするために、入念な準備をしておく必要があります。離婚の段取りを上手にしていくために、考えておくべきポイントを紹介します。

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離婚するまでの流れ|知っておくべき3つのステップ

離婚後の生活の目処が立ったら、いよいよ離婚の交渉と手続きです。ほとんどの場合は夫婦で話し合い、条件に合意して離婚届を提出することになります。

話し合いで解決しない場合は離婚調停を申し立て、それでも解決しなければ離婚裁判となります。十分な話し合いをせずに、いきなり離婚調停を申し立てたり、裁判を起こしたりすることはできません。

協議離婚

夫婦で話し合い、同意のうえで離婚届を提出して離婚が成立することを『協議離婚』といいます。もっとも簡単で、時間や費用も最小限に抑えることができる離婚方法です。

協議離婚は簡単ですが、養育費や財産分与について、うやむやな状態で離婚してしまうことも多く、あとでトラブルとなる場合もあります。また、いざ話し合おうとしても感情的になってしまい、なかなか決められないということも考えられます。

決めなければいけない事柄は紙に書き出しておき、話し合いの場に持参すると良いでしょう。話し合う場所も、自宅ではなく人目のあるカフェやファミリーレストランなどにすると、感情的にならずに済みます。

話し合いで決まった事項は『協議離婚書』にまとめ、公正証書にしておきます。

離婚調停

どちらか一方が離婚に同意せず、協議離婚ができない場合は家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。調停委員2名と裁判官1名が、夫婦それぞれから離婚を考えるようになった理由などを聞きながら、話を進めていきます。

離婚調停ではお互いに顔を合わせずに済むため、相手方から冷静な合意を得ることができますが、調停が成立するまでには半年から1年以上かかるのが一般的です。

離婚調停が成立すると、調停調書が作成されます。調停成立から10日以内に離婚届を提出すれば、離婚成立です。

離婚裁判

離婚調停でも話し合いがまとまらない場合は、裁判になります。裁判をすると、当然弁護士報酬などの費用がかかりますし、期間も1~2年、長ければ3年以上かかることもあります。

また、判決に不服の場合、相手側が控訴することも考えられます。気力と体力、経済力が必要となってきますので、できれば裁判をする前に離婚を成立できるよう努力することをおすすめします。

離婚の段取り|離婚するまでにやっておくべきこと

離婚手続きを進めるためには、離婚後の生活について具体的にイメージしておくことが重要です。別居する際の引越し費用や当面の生活費はもちろん、安定した収入を得られる仕事も探さなくてはなりません。

離婚を意識した時点で、お金や住まい、仕事をどうするのかということは考えておきましょう。

経済的な自立を考える

配偶者の収入に頼って生活している方は、まず経済的に自立することをめざしましょう。離婚後、実家に戻るにしても部屋を借りるにしても、落ち着くまでの生活費として最低でも100万円は必要です。

慰謝料がもらえそうな場合でも、支払われるのは完全に離婚が成立してからとなります。普段から貯金を心がけるなどして、自分用のお金を少しでも確保しておきたいところです。

離婚後の住居を考える

新しい住居を探すというのは、結構時間がかかります。自分1人ならともかく、子どもと一緒の場合は学区なども考慮しなければなりません。

慌てて探して後悔することのないように、離婚前から住みたい場所や予算などを決め、気に入った部屋を探しておくと良いでしょう。住む場所が決まっていれば、精神的にも楽になります。

離婚後の仕事を考える

離婚後は、基本的に自分の収入だけで生活していくことになります。専業主婦やパートなどの方は、安定した収入が得られる仕事を探しましょう。

すでに働いている方でも、離婚すると今まで以上に出費がかさむことが想定されます。より高収入な職場へ転職したり、資格を取っておいたりすると安心です。

金銭面で知っておくべきこと

離婚に際しては、離婚相手や自治体などからさまざまな形でお金をもらえる可能性があります。そのことを知っていれば、余裕を持って離婚の話を進めることができるでしょう。

離婚に際してもらえる可能性のあるお金とは

離婚の際にもらえる可能性のあるお金は以下の通りです。自分にあてはまるかどうかを確認しておきましょう。

  1. 婚姻費用
  2. 慰謝料
  3. 財産分与
  4. 養育費
  5. 公的助成金

『婚姻費用』とは、夫婦とその子供(未成熟子)が日常生活をおくるためにかかる費用のことです。夫には妻と子供の扶養義務があるため、別居してから離婚成立までの期間の生活費もこの婚姻費用として請求できます。

『慰謝料』は、離婚の原因が不倫やDVなどにあり、一方的に相手が悪いと確認できる場合に請求できます。結婚後に夫婦で増やした財産(預貯金や不動産など)があれば、1/2の割合で『財産分与』を受けられます。

さらに子どもがいる場合は、子どもが20歳になるまで『養育費』をもらうことができます。自治体によっては、母子家庭が対象の『助成金』を受給できる場合もあります。

請求のための準備

こうしたお金を請求するためには、それぞれ準備が必要です。婚姻費用の金額や支払い方法は、基本的には夫婦で話し合って決めますが、難しい場合は内容証明郵便などを使って請求します。

慰謝料を請求する場合には、不倫やDVがあったことを証明できる資料(証拠)が欠かせません。財産分与については、預貯金の通帳や不動産の登記簿などが必要です。

養育費は話し合って決めますが、決めたとおりに支払われないケースも想定されます。その都度、調停や裁判をして回収するのは大変なので、あらかじめ『公正証書』や『調停調書』など、裁判をしなくても回収できる書類を作成しておくと安心です。

公的助成金については、お住まいの自治体の窓口に問い合わせておくと良いでしょう。

別居の注意点

離婚の前に別居する場合、条件によっては離婚の際に不利になったり、親権を失ってしまったりすることがあります。別居する際に注意しておくべきポイントを紹介します。

同居義務違反について

民法では、夫婦は同居しなければならないということが決められています。このため、相手の意見を無視して強引に別居することは『同居義務違反』とみなされ、婚姻費用や慰謝料請求の際に不利な状況になることがあります。

別居する際には、きちんと相手の了解を得ることが必要なのです。ただしDVなどがあり、別居に正当性がある場合は同居義務違反にはなりません。

離婚届不受理申出と親権について

別居中に、相手に勝手に離婚届を提出されると、準備不足のまま離婚が成立してしまうことになります。お住いの市区町村役場で『離婚届不受理申出』をしておくことで、相手が離婚届を提出しても受理されなくなります。

また、子どもの親権を獲得したい場合、別居にはより注意が必要です。親権は同居している親に対して認められる傾向にあるので、子どもを置いて勝手に出て行ったというケースでは、親権を獲得できない可能性があります。

補助金や助成金について

別居後に補助金や助成金を利用する場合も、いろいろと注意しなければならない点があります。とくに子どもがいる場合は、もらえるお金が増えることもあるので、確実にもらえるように準備しておきましょう。

15歳までの児童を育てている保護者に支給される『児童手当』は、夫婦が別居している場合、同居する親に支払われるものです。これは住民票で判断されますから、相手と住民票を分けておく必要があります。

また別居後1年以上、配偶者から生活費の支払いがない場合は、1人親児童のための『児童扶養手当』の対象になります。ほかにも生活保護や住宅手当、医療費の助成など、さまざまな補助金を利用できるケースがあります。

別居や離婚の前に一度、居住市町村の福祉課に相談することをおすすめします。

まとめ

離婚を決心したら、まず必要となるのが生活のための資金です。仕事を探すことはもちろん、離婚によって得られるお金についても把握しておきましょう。

 

お金の心配がなくなるだけでも冷静に話し合いができ、スムーズに離婚できる可能性が高くなります。

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