熟年離婚の原因と件数の推移|後悔しない熟年離婚の仕方

熟年離婚(じゅくねんりこん)とは、一般的に婚姻関係が20年以上ある夫婦が離婚することをいいます。

長年連れ添った夫婦がなぜ離婚を決断するのでしょうか。そこには夫婦の様々な事情や理由があるようです。

今回は、熟年離婚をお考えの方が後悔しない選択ができるよう、熟年離婚にまつわる知識をお伝えしたいと思います。

熟年離婚の件数|熟年離婚を選ぶ夫婦の実情

まず、熟年離婚の件数と離婚率についてみていきましょう。

熟年離婚の件数

熟年離婚の件数は平成2年度からみると明らかに増加していますが、10年前の平成17年度から比べると少しずつ離婚件数は減少しているように見受けられます。

同居期間で違いはあるものの、年間数千から数十万組の夫婦が熟年離婚を選択しているのです。

参考:平成27年人口動態統計|厚生労働省

熟年離婚率

年齢別でみてみると、40代後半で熟年離婚をする夫婦が全体の約12%であることがわかります。50代さらには60代になると離婚率は下がり、約3%ほどになりますが、それでも熟年離婚を選択する熟年夫婦が存在することがわかります。

熟年離婚を決意した理由

続いて、熟年離婚を決意した理由を妻側夫側に分けてお伝えします。

妻側の意見

夫が定年退職した

夫の定年退職と同時に離婚を決断する理由として、1つは夫の退職金が関係します。退職金を分配してお互い別々の生活を送るための資金にしようと考えるからです。さらに夫が退職したことにより家で一緒に過ごす時間が増えることが苦痛と考えるようです。

子どもが成人を過ぎた

子どものために離婚をためらう夫婦は非常に多いです。子どもが成人を過ぎ、安心できるタイミングを見計らいます。

一緒にいる意味がわからない

長年夫婦として共に生活してきたのに、今になって一緒にいる意味が見出せない。そういった気持ちになってしまう原因として、日々の生活の中で夫から妻への配慮が無いことや、夫の思いやりのなさが考えられます。

長年我慢したことに耐えられなくなった

夫の身勝手な言動に耐え切れなくなる例として、不倫や暴力、日々の暴言などが考えられます。また、長い間妻を”家政婦扱い”してきた夫に嫌気がさしてきたことから離婚に踏み出す場合も。

新しい人生を歩みたくなった

このまま夫と生活しながら生涯を終えることが嫌になり、新たな人生を歩みたいと考えるようです。身近な人の死を経験したり、近年話題になっている”終活”について考えたことがきっかけになる場合もあるようです。

夫側の意見

妻との生活に疲れた

家族のためにこれまで一生懸命働いてきたが、毎日妻から投げられる心無い言葉の数々に疲れてしまうようです。

自由に生活がしたくなった

働いたお金の全てを妻に渡している夫の場合は、家計を握られることで不自由さに限界を覚えることも。生活に支障がない程度に趣味や好きなことにお金を費やしたいのに、それすら許されない夫もいます。それら長年の不満が積み重なることから離婚を切り出すようです。

好きな人ができた

妻以外の異性を好きになってしまい、その人と新たな人生を歩みたいと思うことから離婚を考えるようになります。

熟年離婚で後悔したこと

熟年離婚をしたは良いものの、後悔してしまうケースもあるようです。ここでは、離婚したことで後悔したことの事例をお伝えします。

経済的に苦しくなった

とにかく1人で生活する中で経済面に余裕がないと感じる人が多いようです。専業主婦だった人は仕事を見つけるのも一苦労。夫と分配したお金があったとしても、想像以上にお金が足りないと痛感することも多いです。

1人の生活で孤独を感じるようになった

あれだけ鬱陶しいと感じていた夫(妻)がいなくなったのに、突然寂しさが襲ってくる場合があります。長い間自分の家族以外と交流が無かった人に多く見受けられます。

離れてみて初めて相手の良さに気が付いた

一緒にいるときは見落としていた相手の良さや優しさに離婚後に気が付く場合もあるようです。

お金で後悔しない為の熟年離婚後の資金計画

実際に離婚をした後で”こうしていれば良かった”と後悔しても、時すでに遅し…ということも考えられます。そうならないためにも、離婚を決断する前にできることを考えていきましょう。熟年離婚で後悔しないためには、老後の生活設計を立てる必要があります。

生活設計といえば、まずはお金のことが頭に浮かぶと思いますので、離婚時にもらえるお金または夫婦で分配するものの例に沿って説明したいと思います。

慰謝料の請求

夫婦のどちらか一方に明らかな非があると認められた場合、慰謝料を請求することができます。慰謝料は精神的苦痛を負わせてしまった相手への謝罪の印になります。話し合いにより離婚を進める場合は(協議離婚)、慰謝料の金額は夫婦間で自由に決めることができます。

しかし、第三者を交えて行う離婚の場合は(調停や裁判離婚)、これまでの夫婦の事情を考慮した上で慰謝料の金額が決まります。

財産分与

夫婦が結婚後に2人で築いた財産を分配することを財産分与といいます。分配すると一言でいっても、やり方は様々です。事前にしっかりと調べてから、夫婦の財産分与について取り決めを行うことをお勧めします。

年金分割

2007年4月から夫婦で年金を分配する合意分割制度が始まりました。条件に該当した場合は夫婦で年金を分け合うことができる制度です。あわせて年金窓口で制度について問い合わせをすることをお勧めします。

子どもが成人していない場合は養育費

18歳以下の子どもがいる場合は養育費を請求しましょう。こちらの算定表を参考にしながら夫婦で話し合ってください。また、調停や裁判離婚に発展した場合もこちらの算定表を利用します。

参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所

お金以外で考えておくべきこと

老後の計画を立てるときはお金以外のこともしっかり考えなければなりません。

  • 1人になった時に頼れる友人や交流を持てる人はちゃんといますか?
  • 仕事は確保できていますか?
  • お金はあるけど、心が孤独・どんな生活を送ればいいのかわからない…

そうならないためにも、事前にどのような生活を送りたいか考えておきましょう。

熟年離婚をする前にやっておくべき事

離婚という結論を出す前に、1度立ち止まって考えて欲しいことがあります。それは、”離婚しか残された道がないのか”ということです。もしかしたらまだ試してしない解決策があるかもしれません。最後に離婚をする前にやっておくべき事をお伝えしたいと思います。

子どもを交えた話し合い

子どもが離婚に反対している場合は、子どもを交えて話し合いをしてみましょう。夫婦の言い分を客観的に聞いてもらうことで冷静になれる可能性があるからです。家族が一致団結するいい機会になるでしょう。ただし、子どもが離婚に賛成していたり、間を取り持つ気がない場合は逆効果になることも考えられますので、慎重にご判断ください。

離婚カウンセラーに相談する

離婚をせずにやり直すためにも、カウンセラーに相談してみましょう。夫婦のそれぞれの意見を第三者が聞くことでこれまで気がつけなかったことを発見できるかもしれません。また自分の悪いところを素直に認め、改善するためのアドバイスもしてくれますので、夫婦だけで上手く話し合いができない場合には良い解決策になると思います。

卒婚を試してみる

卒婚とは“結婚を卒業する”という意味から生まれた言葉です。婚姻関係を続けながらも、離婚はせずにお互い自由で新たな生活を送ることを目的としています。離婚を考えていた熟年夫婦が卒婚を選択したことで、熟年離婚を回避。近年、離婚をしない新たな解決策として卒婚を選ぶ夫婦が増えています。

卒婚にはルールを設けるのが一般的

卒婚の方法に法律上の決まりはなく、夫婦間で独自のルールを決めて別居をするのが一般的です。なかには同居をしながらお互いの生活を干渉しない卒婚を選ぶ夫婦もいます。従来の別居のイメージは一緒に生活することが困難になった夫婦が選ぶ手段と考えられることが多かったため、マイナス要素が強いように思えます。

卒婚は前向きな結婚生活の継続という意味もある

しかし、卒婚は互いの幸せのため、互いを尊重することで成り立つため、同じ別居でもポジティブな意味合いを持つのです。

まとめ

熟年離婚を選択することで幸せになれるケースもあるでしょう。しかし、必ずしも離婚が解決策であるとは限りません。ご自分の現状を見つめながら、ゆっくりお考えいただければと思います。後悔しないためにも、あなたに合う解決方法が見つかりますように。