リストラされたときに考える6つのこと|整理解雇の4要件と裁判事例

リストラされた!というとき、「自分のここが悪い方リストラにあったのだろうか」「これまで頑張ってきたのに」と自分を責めたり、リストラに選ばれた理由を考えたりして、絶望感を覚えたりするでしょう。しかし、そのリストラは本当に必要なものだったのでしょうか?

この記事では、リストラされた際にとるべき行動や違法な整理解雇、対象者が気をつけるべき二次被害などを裁判事例とともにご紹介します。

「リストラされた!」まず最初にとるべき行動

ある日、人事部に呼び出されて退職するか解雇するかという判断を迫られる…リストラは労働者にとってはショックの大きいものです。

この項目では、落ち込んでしまう前にとるべき行動についてご紹介します。

自分を責めない|リストラは会社にも要因がある

極端な話をすると、リストラされたのはあなたのせいではなく会社の経営陣のせいかもしれません。

リストラは会社側に回避する努力義務が求められます。人員削減をしなければ経営が困難位なってしまう等の場合を除いて簡単に社員を解雇することはできません。リストラをしなければならなくなった状況をつくった会社にも責任があるのです。

次の仕事を探す|過去を振り返らず早い段階で気持ちを切り替える

リストラは会社都合によって社員を解雇することなので、退職金や雇用保険などで会社に金銭的負担が発生します。それでもリストラを行う会社というのは、業績が急激に傾くなど会社の経営自体が困難になっている会社です。

リストラされた際は、「なんで自分が選ばれたんだろう…」「自分のここが悪いから…」と考える前に、リストラが起こらないような会社に転職することをおすすめします。

退職金をもらえるか確認する

退職金の支給は法律上の規定がないため、就業規則によって変わります。リストラにあった場合は、集合規則や賃金規定などを必ず確認してください。

だいたい退職金がいくらもらえるかは、以下のように計算することができます。

勤続年数】×【基本給(手当を除いた給与)】×【給付率】=【大まかな退職金の金額】

なお、普及率は社内規定、役職、年齢などで変動します。

解雇の予告が1ヶ月以内の場合は退職金が割増になる

社員を解雇するには少なくとも1ヶ月前までには通知しなければなりません。もしも、リストラを言い渡されてから退職日までが1ヶ月以下の場合は、社員に対して日数分の労働賃金を支払わなければなりません。

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
○2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
○3 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。
引用元:労働基準法

失業保険の受給条件・申請方法を確認する|早めの申請が重要

リストラされてもすぐに転職先が見つれば問題はないのですが、転職までの猶予がない場合は失業保険の申請をすることをおすすめします。

失業保険は申請してからすぐに基本手当が支給されるわけではありません。申請から支給までに自己都合退職であれば3ヶ月以上、会社都合退職でも1週間〜1ヶ月以上かかるのです。

そのため、申請や書類の準備だけは早めに取り組むことをおすすめします。

リストラに正当性があるか考える|「解雇権の濫用」について知る

「リストラは「整理解雇」|会社が満たすべき4要件」で後述しますが、リストラを行うには正当な理由が必要になります。不当な理由でのリストラ解雇は、労働契約法16条に違反する「解雇権の濫用」と判断される可能性があります。

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用元:労働契約法

 

リストラで気をつけるべき二次被害

リストラは、会社側にとって退職金などの金銭的負担が大きいものです。そのため、会社や上司はなるべくリストラや解雇という形を取らずに、社員を退職させる方法を考えるのです。

この項目では、会社側がリストラや解雇させずに社員を退職させるために行うハラスメント(嫌がらせ)についてご紹介します。

リストラ前のパワーハラスメント

リストラ対象者が決定してから社員に発表するまでの期間に、社員に自分から会社をやめてもらうようにパワーハラスメントをする場合があります。

  • 急に仕事を与えなくなった
  • 急に仕事が増えて残業が今までにないくらい増えた
  • 「お前なんか辞めた方が会社のためだ」を退職を促す言動をされた

上記のようなハラスメントを行い、「このままだと仕事を続けられない」と思わせて、自分から退職するようにしているのです。

自己都合退職にさせるためのリストラハラスメント

リストラ対象者に対して、罵ったり自主退職を強要したりするリストラハラスメントという嫌がらせも喘います。

  • 「だからリストラにあうんだよ」
  • 「自分からやめればいいのに」

上記のような場合はリストラハラスメントにあたります。

リストラに伴って自主退職の募集を行う会社もありますが、社員本人が拒否したのにも関わらず執拗に自主退職を求めるのは退職強要にあたり違法になります。

リストラの4要件と解雇無効が成立した裁判事例

会社側は経営不振の場合であっても、社員を簡単に解雇する解雇することはできません。一度採用した社員を解雇するためにはいくつかの制約があるのです。

この項目では、会社がリストラ解雇を行う際に必要な要件、リストラが違法だと認められた事例についていくつかご紹介します。

リストラは「整理解雇」|会社が満たすべき4要件

リストラは、人件費の削減を行なったり、人材を入れ替えて事業の活性化を図ったりするために「整理解雇」をすることです。整理解雇には以下の4つの要件を満たさなければなりません。

リストラ解雇の4要件

  • 会社経営において人員削減の必要性があること
  • リストラを回避するために努力したが厳しい状況であること
  • リストラ対象者の選定に客観的合理性があること
  • 解雇の際の手続きに妥当性があること

これらの要件を満たさない場合は、解雇が無効となる可能性もあります。

労働組合に所属する社員を対象とした解雇が無効とされたリストラ裁判

【事件概要】

システム会社に勤務する社員2名が、所属するチームの「業績不振」を理由として、解雇を通知された。当該システム会社では、新しい代表取締役の就任以降、部署の業績不振と理由に解雇を行う「ロックアウト(社外に追い出す)」が行われていた。

【判決】

解雇対象者となった社員2名の業績は、解雇理由にあたいするほど悪いものではなかった。

よって、解雇は無効とされた。また、会社側にいは、損害賠償として各社員に400万円あまりの未払い労働賃金の支払いが命じられた。

参考:文献番号 2016WLJPCA03286002

 

リストラが違法だった場合の対処方法

この項目では、不当なリストラにあった場合の対処方法についてご紹介します。「リストラは「整理解雇」|会社が満たすべき4要件」で説明した要件を満たさない場合は整理解雇が成立しないため、違法リストラの可能性が高いです。

違法なリストラの証拠を集める

リストラの証拠集めは以下のことを検証する必要があります。

  • 実際に人員削減が必要なほど業績が悪化しているか
  • 整理解雇の実施前に業績回復のための施作を行なっていたか
  • 会社の解雇理由に客観的合理性があるか
  • 解雇予告や解雇時の手当てなどが正当なものか

また、リストラを行うにあたりハラスメントがあった場合は、ハラスメント内容や日時などをノートに記録しておくことをおすすめします。

解雇無効・撤回の通知書を会社に送付する

違法なリストラは、解雇の無効や撤回を求める通知を会社に送ることがでいます。通知書の例は以下の通りです。

通知書を内容証明郵便で送る

解雇無効の通知書は、内容証明郵便で送ることも可能です。内容証明郵便は、郵便局が送った文書の内容を証明してくれるサービスで労働審判や裁判になった際の有効な証拠になります。

ただし、内容証明郵便で送ると公的な文書という扱いになるため、「裁判になっても構わない」という意思表示になります。

労働基準監督署に相談・申告する

会社に解雇無効の通知書を送って問題が解決されない場合は、労働基準法違反になるリストラ(整理解雇)として労働基準監督署に相談・申告します。

労働基準監督署に相談する場合は、会社が所属する都道府県の最寄りが管轄となります。

関連リンク:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

違法リストラで労働審判を申し立てる

労働基準監督署での相談や問題解決がうまくいかない場合は、地方裁判所で労働審判を申し立てます。

労働審判とは、労働問題を専門とする審判官・審判員などが原則3回以内の期日で、問題解決の判断をします。

地位確認裁判を起こす

労働審判での決定に納得がいかない場合は通常訴訟(裁判)に移行します。リストラの裁判では解雇の無効や撤回を求めるための地位確認を争うことになります。

また、違法なリストラをされたことによる損害(リストラをされたなかった場合の給料)などは、会社側に損害賠償請求することも可能です。

地位確認裁判になった場合は、訴訟になるので弁護士の力が必要不可欠になります。

 

リストラを訴えるときに考えておくこと

違法なリストラを訴えたり、解雇の無効・撤回を求めたりすることは労働者の権利です。

しかし、一方で労働基準監督署に申告したり裁判を起こしたりすると、リストラ処分が撤回されたとしても会社に居づらくなるのが事実です。

リストラが撤回された場合でも、リストラをするような業績の会社に居続けるのかは考えておくべきことでしょう。

まとめ

リストラは労働者にとって、キャリアや生活がガラッと変わってしまう深刻な問題です。

その一方でリストラは、これからの生活やキャリアを見つめ直すきっかけにもなります。リストラにあった際は、一人で抱え込んだり、深く思い悩んだりする前に次のキャリアに向けた行動をとることをおすすめします。

この記事で、リストラされた方の手助けができれば幸いです。

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