テクスチュアルハラスメントとは|被害にあったときにできる4つの対処法

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)とは、「女にこんな文章はかけない」「男のくせに女々しい言葉を使う」など文章について性差別で評価を行ったり、「この女性作家には男性のゴーストライターがいる」など虚偽の事実を吹聴したりするハラスメントです。

この記事では、テクスチュアルハラスメントの事例や違法性、対処方法についてご紹介します。

テクスチュアルハラスメント(テクハラ)に該当する行為

テクスチュアルハラスメントとは、文学作品などの成果に対して性差別を行うことです。この項目ではテクスチュアルハラスメントの概要を事例とともにご紹介します。

テクスチュアルハラスメントの例

テクスチュアルハラスメントは書いた文書の評価を性差別的に行うことです。そのため以下のような場合はテクスチュアルハラスメントにあたるのです。

  • 「女の割に論理的な書き方をする」
  • 「こんな(素晴らしい)作品を女が書けるわけない」
  • 「他の人(男性ゴーストライター)に書かせているに違いない」

現在では、主に女性作家に対して行われる嫌がらせがテクスチュアルハラスメントと呼ばれていますが、男性作家の場合も同じです。

有名作家夫婦が遭ったテクスチュアルハラスメントの事例

テクスチュアルハラスメントが日本で話題となったのが以下の事件です。

<事件概要>

女性作家が出版した本に対し、とある男性文芸評論家が雑誌のインタビューで「あの本の女性作家のペンネームは夫である男性作家のものであり、執筆も夫が行っている」と話したところ、雑誌出版社はその旨をそのまま掲載し雑誌の発売を行った。そのため、言及された作家夫婦は名誉毀損(めいよきそん)にあたるとし男性作家を告訴した。

<判決>

男性作家の発言及び記述は虚偽のものであり、作家夫婦両者の名誉を毀損するものであると判断された。また、男性作家のインタビュー内容が作家夫婦の名誉を毀損する恐れがあると知った上で、雑誌の発行を行なった出版社側にも責任があるとされた。

男性作家及び出版社2社には、作家夫婦に対し合計440万円の慰謝料の支払いが命じられた。また、男性作家は自身が所有するホームページにて、一連の事態に対する謝罪文を1ヶ月間掲載するよう命じられた。

参考:文献番号2001WLJPCA12250005

この事件により、出版社は新聞の全国紙にて謝罪広告の掲載、同社出版物に謝罪広告を6ヶ月間掲載することになりました。

日常生活に潜むテクスチュアルハラスメント

テクスチュアルハラスメントとは、成果物に対し、「女(男)にできるわけがない」と性差別による批評や虚偽の事実を吹聴するなどの嫌がらせを行うことです。日常生活では、以下のようなことが考えられます。

  • この企画書は女が考えられるわけがない
  • この作品には別の作者(男性)がいるに違いない

テクスチュアルハラスメントは創作活動などのクリエイティブ職に付いている方によっては、自身の収入にも影響する恐れがあるハラスメントです。

テクスチュアルハラスメントの違法性

テクスチュアルハラスメントは、被害者・加害者が会社などに所属していた場合は、男女雇用機会均等法違反になる可能性もあります。また、ハラスメントによって発生した損害を民事訴訟として賠償請求することも可能です。

この項目では、テクスチュアルハラスメントの違法性についてご紹介します。

男女雇用機会均等法違反の可能性がある

テクスチュアルハラスメントの被害者・加害者が会社に所属している場合は、男女雇用機会均等法違反として、会社側が責任を問われる可能性があります。

第六条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの
三 労働者の職種及び雇用形態の変更

四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

テクスチュアルハラスメントは、会社側が問題解決のために対処する義務があります。

第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

ハラスメントによって発生した損害は賠償請求できる

テクスチュアルハラスメントは、個人の名誉や尊厳を傷つけるハラスメントです。その結果、損害が発生した場合は、加害者に対して損害賠償請求をすることも可能です。

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法

名誉毀損で刑法によって裁かれる可能性もある

テクスチュアルハラスメントは、名誉毀損にあたる可能性もあります。悪質な場合は、刑事裁判で訴えることも可能です。

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
引用元:刑法

参考:ネットの書込みが名誉毀損に該当する条件と書込みへの対処法

テクスチュアルハラスメントに遭った場合の対処方法

この項目では、テクスチュアルハラスメントに遭った場合の対処方法についてご紹介します。

社内の相談窓口などに相談する

テクスチュアルハラスメントが社内で行われた場合は、社内の相談窓口や信頼できる上司などにハラスメント内容を報告しましょう。社内でのハラスメントとして報告することで、加害者への注意などの解決が望める可能性もあります。

なお、テクスチュアルハラスメントは社内で発生した場合、会社側がハラスメント事実を知った上でどのように対処したのかということが重要な争点となります。

ハラスメント差止要求書を送付する

テクスチュアルハラスメントは、名誉毀損にあたる可能性がある行為です。そのため、ハラスメントの内容や違法性を明記した上で、差止要求書を送付しましょう。

差止要求書を送付する場合は、まず普通郵便で会社宛に送ります。その後、反応がない場合は内容証明郵便で送ります。内容証明郵便とは、郵便局が送った書面の内容を証明するサービスで、裁判でも有効な証拠になる郵送方法です。

労働審判・民事調停で解決させる

ハラスメント差止要求書を送付しても、加害者が問題解決のための行動を起こさなかった場合は、会社内であれば労働裁判、個人間の場合は民事調停で話し合いによる解決を図ります。

なお、話し合いが成立しない場合は通常裁判に移行します。

通常民事裁判を行う

テクスチュアルハラスメントに関する裁判は、損害賠償請求や名誉毀損などの刑事事件として訴えることになるため、会社内でのトラブルというより、個人間のトラブルになります。

なお、裁判に発展する場合は問題解決のために弁護士の力が必要不可欠です。なるべく早い段階で弁護士に相談するようにしましょう。

参考:名誉毀損で逮捕はされる?刑事と民事の場合で違う名誉毀損の判断基準

まとめ

テクスチュアルハラスメントは、女性の社会進出を阻むハラスメントです。どんな成果に対しても「女らしい」「男らしい」ということはないため、加害者に虚偽の事実を吹聴された場合は、法に則った対処を行って正しい事実を証明しましょう。

この記事で、テクスチュアルハラスメントに関する疑問が解消されれば幸いです。

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