交通事故の慰謝料請求と損害賠償請求の時効を中断させる全手順

不運にも交通事故に遭った時、加害者に対して慰謝料を請求する事になります。この時、交通事故の被害者が加害者に対して「慰謝料」などの損害賠償を請求する権利を「損害賠償請求権」と言いますが、この損害賠償請求権はあくまで権利ですので、あまりにも長期間放っておくと、時効となって消滅してしまうので注意が必要です。

  1. 被害者が交通事故による加害者及び損害を知ったときから3年
  2. 交通事故日より20年

損害賠償請求権が時効で消滅してしまうと、加害者や任意保険会社に対して賠償金や保険金や慰謝料を請求することの一切が不可能になります。

そのため、時効の「起算点」「時効期間」をしっかりと認識し、時効が迫っている時は、時効中断措置をとりましょう。

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交通事故の慰謝料相場とできるだけ慰謝料を高額請求する手順

2016.09.28

 

交通事故の慰謝料・損害賠償請求の時効は最短で3年

交通事故の慰謝料請求について記載のある、民法724条(自賠法4条)によれば、損害賠償請求権は、被害者が「損害及び加害者を知った時」を起算点として、3年間で時効となって消滅するとされています。

  1. 物損による損害は事故日の翌日から起算して3年
  2. 傷害による損害は事故日の翌日から起算して3年
  3. 死亡による損害は死亡日の翌日から起算して3年
  4. 後遺障害による損害は症状固定日の翌日から起算して3年

上記の時に慰謝料の請求は時効になります。法律的には、時効のカウントスタートは「交通事故によって受けた被害と、その被害を与えた加害者を知った日」難しい表現になっていて分かりにくいですが、カンタンに言えば“交通事故にあった日”という事です。

物損事故の時効:事故発生日から3年

車が壊れただけで、被害者には怪我などがなかった場合を物損事故と言いますが、この場合の時効の起算点「事故発生時」となり、損害賠償請求権は3年で時効になります。

もし交通事故によって被害者が死亡した場合は、被害者が死亡した日から時効が開始することになり、事故後は被害者が重体で、その後に死亡が確認された場合、やはり被害者が死亡した日から時効が開始となります。

人身事故の時効:事故発生日から3年

交通事故で被害者が怪我を負った場合を人身事故と言い、特に後遺障害などが無ければ事故時を時効の起算点とし、損害賠償請求権の時効は3年です。

死亡事故の時効:被害者が死亡した日から3年

被害者が死亡した場合は、被害者が死亡した日から時効のカウントが始まります。事故後は被害者が重体であったとしても、その後に死亡が確認された時、死亡した日から時効が開始となるため、死亡事故の場合の損害賠償請求権の時効は死亡した日から3年となります。

後遺障害がある場合の時効:症状固定の翌日から3年

交通事故が原因で後遺障害となった場合、損害賠償請求権の時効は「症状固定の翌日から」時効が始まり、医師によって後遺障害診断書をもらってから、3年の時効がスタートします。

症状固定とは、一般的に「医学上一般に承認された治療方法をもってしてもその効果が期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められる最終の状態に達したとき」の状態をいいます。

つまり、投薬やリハビリを行うことで一時的に症状の回復がみられても、時間が経つともとに戻ってしまうなど、全体的に見て症状の経過が平行線となっている場合など、これ以上治療を続けていても、今以上に症状の改善が望めない状態に達した状態のことです。
出典:症状固定の対処法一つで賠償金が増額する理由

後遺障害とは、交通事故によって被害者が受けた精神的・肉体的な障害(ケガ)が、今後の将来において回復の見込めない状態となる事を言います。後遺障害と認められるためには、交通事故とそのケガの症状との間に因果関係(関連性や整合性)があること、その存在が医学的に証明あるいは説明できること、労働能力の喪失(低下)を伴うものであること、その損害(ケガ)が【自賠責基準の等級】に該当することという要件を充足する必要があります。
出典:後遺障害認定の全てがわかる|後遺障害認定を得る全知識

交通事故がひき逃げの場合の時効は20年まで延長

交通事故を起こした加害者が万が一逃亡した場合、いわゆる「引き逃げ」で発生した損害賠償請求権は、すぐに加害者が見つからないケースを想定して“20年”とされています。

また、あまり気にしなくても良いとは思いますが、加害者の加入している保険会社に直接保険金の支払いを求める請求の時効は2年です。普通は交通事故のすぐ後に保険会社と慰謝料について揉めると思いますので、よほどの事が無い限り大丈夫でしょう。

加害者を知った時とは?

損害賠償請求が可能なことを知った時だと思って良いでしょう。もっと具体的に言うと、被害者が加害者の氏名、住所を確認した時です。ひき逃げなどの特殊な場合以外は、通常の交通事故では事故日になります。

損害を知った時とは?

被害者が損害の発生を現実に認識した時を指し、物損による損害では、事故日になります。ただ、症状固定日や治癒時と考えられる余地もありますが、事故日と考えておくのが無難でしょう。

死亡による損害(葬儀費、死亡逸失利益、死亡慰謝料など)は死亡日になり、後遺障害による損害(後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料、将来介護費など)も症状固定日になります。

 

示談交渉や慰謝料請求(損害賠償請求)では時効で揉める事が多い

最も大きな理由は、被害者と加害者で示談に対する意識の違いが考えられます。つまり、事故を起こした加害者にとっては、刑事事件になる可能性があるかないかという大きな瀬戸際に立たされているという事です。

示談の合意を急ぎたい加害者のアプローチは早い

交通事故で加害者となった人は、被害者の対応次第では刑事事件になる可能性もあるため、できる限り早急に被害者との示談を得て、少しでも裁判官への心象をよくしたいという思いがあります。

また、示談のスピードを上げることで、まだ被害者側の整理がつかないうちに、保険会社と一緒に加害者が支払う損害賠償金や慰謝料の額をなるべく低い金額で収めようという狙いもあります。

治療期間が長引けばそれだけ治療費は膨らみますし、後遺障害の認定が認められば賠償金は100万円や200万円では済まなくなりますからね。

被害者側は時間をかけて損をすくなく示談を行いたい

逆に被害者としては、事故後すぐには発症しないであろう後遺障害の事を考えて、すぐに示談を成立させような事はしたくありません。

一度示談を成立させてしまえば、その後新たに発生した治療費や後遺障害慰謝料の請求だけではなく、逸失利益や休業損害の計算、過失割合の是正など、示談に合意した時点以上の賠償金や有利に持って行くための手段をすべて絶たれる事になります。

相手と交渉するタイムスケジュールをしっかり確認しておかないと、いざという時に交渉できなくなる可能性もあります。

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 交通事故における慰謝料請求(損害賠償請求)の時効を中断させる方法

もし、交通事故の慰謝料請求が長引いたり、示談交渉が難航して3年の時効を過ぎそうな場合は、その請求できる時効期限を中断させる事が出来ます。

ここでいう時効の中断は、一時だけ時効の期限が止まるように思うかもしれませんが、損害賠償請求権の場合は、一旦時効が中断されるとその時点から再び3年の時効がリスタートされるルールになっています。これは便利ですね。

消滅時効の中断方法

具体的には主に以下の3つの方法があります。

  1. 訴訟を起こす
  2. 加害者に示談金の一部を仮払いしてもらう
  3. 保険会社から内払いや仮渡金をもらう

時効の中断をさせる手っ取り早い方法は民事訴訟を起こす事ですが、大事にしたくないという場合は、加害者の加入する保険会社から示談金の一部を仮払いや内払い金の名目で支払ってもらうのが良いでしょう。

この時、「支払われる金は一時的なもので、示談金自体の支払いは終わっていない事を認めさせる」ことが重要です。ココをミスると「示談金・慰謝料・損害賠償金は支払い終わった」とされてしまう可能性があります。

こういった場合の対策としては、今回の支払いは仮払いであり、今後も賠償をすることを、ちゃんと明文化して念書を取っておくと良いと思います。

もし慰謝料請求(損害賠償請求)の時効が過ぎてしまった場合

損害賠償請求権の時効は3年ですが、法律的に言うと「相手が債務を認めたとき」から3年です。つまり、最後に支払われた時から3年ですので、加害者側の任意保険会社と後遺症や示談金、慰謝料の話し合いをしている限り、時効の心配はする必要は無いのです。

まともな保険会社であれば、支払いを3年以上も放置する事はまず考えられません。それでももし難癖を付けてくるような事があれば、弁護士に相談される事をお勧めします。

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示談が長引く場合は「調停」や「訴訟」を申し立てよう

示談交渉を急いでやるのは得策ではありません。急いては事を仕損じるとも言いますが、1年も2年も示談交渉を続けていても、相手から治療費が支払われない可能性だって出てきます。

あまりのも示談交渉が長引くようであれば、和解で解決するを諦めて、調停などを申し立てるべきでしょう。いきなり裁判などを起こしたくはない場合、交通事故紛争処理センターといったADR機関に相談するのも良いですし、そこで合意が得られなければ最終的には「民事訴訟」ということになります。

ここまでくると、交通事故が得意な弁護士などのアドバイスを受けた方が、より良い結果を残せるでしょう。

被害者は示談不成立だけは避ける

示談が成立しないことには損害賠償金額や慰謝料の額が定まりませんので、加害者はいつまでたっても慰謝料などの支払いを開始しません。仮に人身事故などで刑事事件扱いとなるようなケースでもない限り、示談が成立しなくても加害者が困ることはありません。

被害者としては損害賠償金や慰謝料を受け取れない状態が続くわけですから、実は示談が不成立になると本当に困るのは被害者の方かもしれません。

裁判が嫌なら紛争解決手続きを行う

もし裁判で解決するような事態は避けたいとお考えであれば、紛争解決手続きを考慮してみると良いでしょう。紛争解決手続きとは、交通事故後の損害賠償における紛争を公正な第三者の関与で解決する、裁判に頼らない方法です。

紛争解決機関には、日本損害保険協会が設置する「そんぽADRセンター」などがあります。他にも「交通事故紛争処理センター」などがあり、示談や損害賠償の紛争解決に向けた和解や弁護士のあっ旋などを目的として相談を受け付けています。

それでもだめなら民事訴訟を起こす

上記のような方法でも示談ができないなら、裁判所に調停を申立て、最終的には民事訴訟を起こすことになります。訴訟となれば事故当事者が直接争うことはまずないため、交通事故の経験豊富な弁護士などのアドバイスを受けるようにしましょう。

 

ケガの治療が長期化しているなら仮渡金を請求しよう

交通事故によるケガの治療が長期間続いたり治療費がかさむと、被害者の生活が困るケースがありえます。その場合に、任意保険会社に仮払金を請求したり、自賠責保険に仮渡金を請求したりすることができる制度があります。

仮渡金として受け取れる金額

自賠責保険における仮渡金の上限は、次の通り法令にて定められています。

  • 死亡事故の場合:290万円
  • 下記のケガの場合:40万円
    脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有する場合
    上腕又は前腕骨折で合併症を有する場合
    太腿又は下腿の骨折・内臓破裂で腹膜炎を起こした場合
    14日以上入院を要する傷害で30日以上の医師の治療が必要な場合
  • 下記のケガの場合:20万円
    脊柱の骨折、上腕又は前腕の骨折、内臓破裂
    入院を要する傷害で30日以上の医師の治療を必要とする場合
    14日以上の入院を必要とする場合
  • 11日以上の医師の治療を要する傷害を受けた場合:5万円

仮渡金を受け取るには示談金の支払いが終了していない事が条件

もし加害者が、実際には支払っていない示談金を払ったと主張してくると、その内容を証明できない限り時効は中断しません。時効の中断には、加害者と被害者の示談がまだ和解に至ってなくて、示談金の債務が残っている事を認めていることが条件です。

仮渡金を確実に受け取るには念書の作成が必要

加害者から示談金の一部を支払わせる場合、「今回は仮払いで、今後も交渉を継続し賠償を行う」という事を記した念書を書くことが望ましいのですが、相手もなかなか認めないと思いますので、弁護士などの専門家の手を借りて確実な対策をとっておきましょう。

 

交通事故の慰謝料請求における時効のまとめ

結論を言うと、「慰謝料の請求において、保険会社と示談や慰謝料について話し合っている限り、時効は訪れない」という事です。良かったですね。

ちなみに、交通事故の慰謝料請求に時効はありませんが、具体的な交通事故の慰謝料を知りたい場合は「交通事故の慰謝料|適正な金額を得るための完全ガイド」をご覧頂ければと思います。

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