パワハラ問題の解決手順
パワハラは、解決のために個人でもできることがあります。この項目では、パワハラ解決のためにできることと、解決までの大まかな流れをご紹介します。
パワハラの証拠を押さえる
先の項目でもお伝えしましたが、パワハラには証拠が重要です。パワハラの証拠を押さえるポイントは以下3つです。
- パワハラの音声データ
- パワハラメールなどの画面
- パワハラの被害記録ノート
これらのパワハラ証拠は、パワハラを相談する前から準備しておくと良いでしょう。
パワハラの事実を会社に報告
パワハラ被害にあったら、必ず会社に報告するようにしましょう。企業にはパワハラの防止措置をとる義務があります。パワハラに対して、企業がどのような対応を取ったかということは、他の相談窓口を使用する際にも重要なものになります。
パワハラを相談すること自体、勇気がいることですが、まずはそれとなく報告という形で企業にパワハラの事実を伝えましょう。
会社に内容証明郵便を送る
パワハラ中止をパワハラ加害者本人に交渉することは難しいことですが、企業を通して交渉することは可能です。企業にパワハラ中止のための交渉をするには、まずパワハラの差止要求書などの書面を内容証明郵便で郵送します。
内容証明郵便とは、郵便局が送った書面の内容を証明してくれるサービスのことです。内容証明郵便で書面を送ることで「言った・言わない」などのトラブルを回避することができます。
外部の相談窓口を利用する
社内にパワハラを相談できる窓口がなかったり、内容証明郵便を送っても企業がパワハラの防止措置を取らないorパワハラ被害が収まらなかったりした場合は外部の相談窓口を利用しましょう。
外部の相談窓口とは、先の項目でお伝えした労働局の雇用環境・均等部(室)や労働基準監督署などの他に、民間の労働組合などです。
また、労働局の雇用環境・均等部(室)や労働基準監督署などの相談コーナーではパワハラの相談だけでなく、労働審判やパワハラ解決のためのあっせん手続きなどに関しても紹介しています。
訴訟をおこす
労働審判や公的機関からの指導・是正措置でも解決されなかった、パワハラによって損害が発生した場合はパワハラで訴えることが可能です。パワハラ訴訟では精神的苦痛や退職に追い込まれた場合などの損害を慰謝料として請求できることがあります。
損害賠償請求
パワハラをした加害者本人と会社双方に対し、その精神的苦痛の代償として、損害賠償請求をすることができます。法的な根拠としては、加害者本人への慰謝料請求は民法709条、710条、会社からは民法415条、715条です。
こちらの記事では実例を元にどのくらいの慰謝料を相手からとれるのか、そしてパワハラを受けてから請求するまでの手順を詳しく記載しておいますので併せてご覧ください。
刑事告訴
現在、パワハラそのものを取り締まる法律はありませんが、そのパワハラが犯罪行為に当たる場合は、刑事告訴することによって加害者相手に刑事的責任を負わせることができる可能性はあります。
パワハラで想定できる具体的な犯罪行為は身体的な暴力行為を受ければ暴行罪、傷害罪、侮辱的な発言をされたのであれば名誉毀損罪、侮辱罪、ほかには脅迫罪などです。
これらが実際にあったと立証することは難しいですが、医師からの診断書、犯罪行為があったとみられる写真や映像、第三者の証言などの証拠を集め、告訴をしましょう。
パワハラによる労災認定を受ける
意外に思う方もいるかもしれませんが、殴る・蹴るなどの物理的な暴力による怪我はもちろん、精神的に追い詰められうつ病などの病気になってしまった場合も労災が認められる可能性があります。
もしもパワハラによって怪我を負わされてしまったり、精神疾患を発症してしまったという場合は、労災認定を受けることで通院費の補償を受けることができます。